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TIP構法の振動実験の報告書が届きました

2020年03月06日

「日本TIP建築協会」から報告書が届きました。

この報告書には、去年の12月に行われた「TIP構法の振動実験」の結果とその総括がまとめられていました。

振動実験は岸和田市の「近畿職業能力開発大学校」にある実験場で行われ、

筋かいのみの耐力壁とTIP構法筋かい入りの耐力壁を、何回も振動させ、その結果を比較する目的で行われました。

このような実験に立ち会えたことは、大変貴重な経験でした。

振動実験の迫力はものすごく、そのうえ目の前で、筋かいのみの耐震壁の接合部が破壊されましたので、あらためて地震の怖さを認識しました。

今回、協会から送っていただいた振動実験の報告書は、さらに興味深いものでした。

それによりますと「筋かいのみ」の耐震壁は、5回繰り返した振動実験において、4回目の振動実験で破壊に至っています。私が見て驚いたのは、この時の様子だと思います。

その時の入力レベルは耐震等級3にあたる振動です。

耐震等級3レベルとはおおよそ震度7の1.5倍の地震で建物が倒壊しない耐力を有することを表しています。

それに比べて、TIP構法筋かい入りの耐震壁では7回繰り返しの振動実験を行い、最後まで試験体は破壊されていませんでした。

最後の7回目の加力は、耐震等級3レベルの1.33倍もの力で揺らされていました。

報告書をまとめられた近畿職業能力開発大学校の藤村先生によりますと、

木造耐力壁は繰り返し加力(繰り返しの揺れ)に対して脆弱である。

しかしTIP構法では、繰り返し加力に対して柱の曲げ耐力を利用することによって、フレーム全体の耐力が急激に低下することがない事が検証できた。

耐震性に優れた構法であることが検証できた。との結論です。

柱の曲げ耐力とは、集成材ではない、無垢の材木のもつしなりと結びつきます。この特性を最大に生かすのがTIP構法とも言える実験結果ではなかったかと思います。

ぜひ無垢のヒノキの柱にTIP構法を組み合わせた、弊社の「涼温な家」をご検討ください。

担当者コメント

報告書には、日本住宅・木造技術研究センターにおいての試験を経て、性能評価書が発行されたことも記されていました。
日本TIP協会などの皆様の努力で、TIP構法が広く知られていくことは、本当にうれしい限りですね。